一九二七、四、二一、
同心町の夜あけがた
春めいた浅黄のもやに
一列の淡い電燈
向ふの坂の下り口で
犬が三疋じゃれてゐる
子供が一人ぼろっとでる
あすこまで行けば
あのこどもが
わたくしのヒアシンスの花を
呉れ呉れといって叫ぶだらう
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