一九二七、四、二一、
古風な士族町をこめた浅黄いろのもやのなかに
咲きのこりの淡い電燈の一列
わたくしのヒアシンスを
造花と見る人がたいへん多い
日がそらでぼんやり黄ばらをけぶすとき
新らしい伯林青で塗りあげたその屋台店の主人は
胡桃の木の枝をひろげる裏の石屋根の下で
かうかうとして睡ってゐる
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