七一八

     

                  一九二六、六、二〇、

   

   このやはらかな柳の枝で

   すこしおまへを叩いてやらう

   おまへの紋は図案としては

   まあありふれた青と茶で

   べつに不快なこともない

   むしろさうたうきれいだし

   まはるかたちも悪くない

   それからちゃんと節奏(リズム)もある

   さう そのポーズ

   もすこしぴちゃぴちゃ叩いてやらう

   いまの主題は

   「白びかりある攻勢」とでもいふのだらうな

   しまひの方だけその桃いろの

   口をあくのが所謂見栄を切るのだな

   もすこしぴちゃぴちゃ叩いてやらう

   どうもおまへにからかってると

   酸っぱいトマトをたべてるやうだ

   もちろんおれは朝飯前さ

   もう遁げるのか

   わたしも遁げる

  

 


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