ここはあかるくて石油のやうで、

   雨にぬれたしらねあふひやぜんまいや、

   いろいろの葉が青びかりして、

   風にぶるぶるふるえてゐる

   それはたまたま雲が切れたのと

   ここの木立が隙いてゐるためで

   滝はあんなにどんどん弧を増すし

   下の谷から

   いたやの黒い脚の間を

   煤けた雲はのぼってくるし

   もう一目散にかけ下りるより仕方ない

 

 


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