(第一片)

 

   三七〇

   

    ……朝のうちから

      稲田いちめん雨の脚……

   駅の出口のカーヴのとこは

   X形の信号標や

   はしごのついた電柱で

   まづは巨きな風の廊下といったふう

   ひどく明るくこしらえあげた

   (数文字不明)遊園地より

    ……(数文字不明)(数文字不明)のだ

 

   (第二片)

 

   親方は

   信号標のま下に立って

   びしやびしや雨を浴びながら

   ぢっと向ふを見詰めてゐる

    ふし乁……雨やら雲やら向ふは暗いがと……

   そのこっちでは工夫が二人

   つるはしをもちしょんぼりとして

   三べん四へん稲びかりから漂白される

 

 


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