孤独と風童
一九二四、一一、二三、
シグナルの赤いあかりもともったし
そこらの雲もちらけてしまふ
プラットフォームは
Yの字をしたはしらだの
犬の毛皮を着た農夫だの
けふもすっかり酸えてしまった
東へ行くの
白いみかげの胃の方へかい
さう では おいで
行きがけにねえ
向ふの
あのぼんやりとした葡萄いろのそらを通って
大荒沢や向ふはひどい雪ですと
ぼくが云ったと云っとくれ
ぢゃさようなら
樺の林の芽が噴くころにまたおいで
こんどの童話はおまへのだよ
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