三一四

     〔夜の湿気と風がさびしくいりまじり〕

                  一九二四、一〇、五、

   

   夜の湿気と風がさびしくいりまじり

   松ややなぎの林はくろく

   そらには暗い業の花びらがいっぱいで

   わたくしは神々の名を録したことから

   はげしく寒くふるえてゐる

 

 


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