黒塚森の一群が

   風の向ふにけむりを吐けば

   そんなつめたい白い火むらは

   北いっぱいに飛んでゐる

     ……群になったり大きな鳥は一ぴきづゝ

       まるで避難をするつもり……

   雲の鎖のむら立ちや

   白い空穂の稲田に立って

   ひとは幽霊写真のやうに

   ぼんやりとして風を見送る

 

 


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