一四

                  一九二四、三、二四、

   

   湧水(みづ)を呑まうとして

   犬の毛皮の手袋などを泥に落し

   あわててぴちゃぴちゃ洗ったりするものだから

   きせるをくわいたり

   日光にあたったりしてゐる

   工作の人たちが哂ふのだ

   ところがおれは

   この春の青いクレッスを

   すきとほった水の像といっしょに

   大曼陀羅に捧げやう

 

 


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