林と思想

   

   そら、ね、ごらん

   むかふに霧にぬれてゐる

   蕈(きのこ)のかたちのちいさな林があるだらう

   あすこのとこへ

   わたしのかんがへが

   ずゐぶんはやく流れて行つて

   みんな

   溶け込んでゐるのだよ

     こゝいらはふきの花でいつぱいだ

 

 


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(宮澤家本は手入れなし)