ひかりわななくあけぞらに

   清麗サフィアのさまなして

   きみにたぐへるかの惑星(ほし)

   いまかも消ゆと見ゆるとき

   

   まだきのみちは凍えたる

   黒き渚をつたひしに

   海はか黒くひそまりて

   かもめの声もなかりしに

   あやしき夜の積雲の

   なかより生れてその星の

   さながらきみのことばもて

   われに光を送りしか

   いまこの丘の上にして

   つきの木の枝風に鳴り

   雪をかぶれるびゃくしんや

   百の海岬はや明けて

   あをうなばらは万葉の

   古きしらべにひかれるを 

   よきロダイトのさまなして

   ひかりわなゝくかのそらの

   溶け行くとしてひるがへる

   きみが星こそかなしけれ

 

 


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