ダリア展覧会

   

   酒精のかほり硝鉄の

   肌膚灼くにほひしかもあれ

   リネンと瓶と花の影

   花は夏夜をいきづきぬ

   

   そは牛飼ひつ商ひつ

   はた鉄うてる人々の

   さこそつちかひそだてたる

   四百の花のラムプなり

   

   声さやかなるをとめらは

   おのおの花に票を投げ

   団辯護士もホップ噛む

   にがきわらひを頬になしき

   

   青き六角シュバリエー

   倒れしまゝに芽ばえしつ

   穂抽きし稲はその首に

   病を得たる夏なりき

 

 


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