巨なるどろのもとにて

   水落しはねあがれるは

   式古き水きねにこそ

 

   おぼろにも鈴の鳴れるは

   その家の右袖にして

   まどろめる馬の胸らし

 

   廐肥の束七十ばかり

   月しろに並べ干されぬ

   ひともまたうまゐすらしを

 

   きねはまた月のかけらを

   ぼそぼそに落してあがり

   鈴の音やゝ明らけし

 

 


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