あらたなるよきみちを得しといふことは

   たゞあらたなる

   なやみのみちを得しといふのみ

   

   このことむしろ正しくて

   あかるからんと思ひしに

   はやくもこゝにあらたなる

   なやみぞつもりそめにけり

   

   あゝいつの日かか弱なる

   わが身恥なく生くるを得んや

   

     野の雪はいまかゞやきて

     遠の山藍の色せり

   

     肥料屋の用事をもって

     組合にさこそは行くと

   

   病めるがゆゑにうらぎりしと

   さこそはひとも唱へしか

 

 


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