農民ら病みてはかなきわれを嘲り

   小雨の春のそらに居て

   その蔓むらに鳥らゐて

   雨にその小胸をふくらばす

   

   さてははるかに鳴る川と

   冷えてさびしきゴム沓や

   あゝあざけりと辱しめ

   もなかを風の過ぎ行けば

   小鳥の一羽尾をひろげ

   一羽は波を描き飛ぶ

 

 


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