〔商人ら やみていぶせきわれをあざみ〕

   

   商人ら、やみていぶせきわれをあざみ、

   川ははるかの峡に鳴る。

   

   ましろきそらの蔓むらに、  雨をいとなむみそさゞい、

   黒き砂糖の樽かげを、    ひそかにわたる昼の猫。

   

   病みに恥つむこの郷を、

   つめたくすぐる春の風かな。

 

 


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