ちゞれたる雲のま下に
塩鮭や 歪める陶器
はるばると露店はならぶ
みのらぬ村の家長たち
ふかぶかおもひ旧臘の
まちをうづめて行きまどふ
歪める陶器烏賊の脳
小きメリヤス塩の魚
露店はならび客はなき
雲の縮れの重りきて
楽隊の音がたぴしに
はるかのまちをめぐるらし
はかなきかなや暮れそめて
なほ物おもひ行きまどふ
←前の草稿形態へ
次の草稿形態へ→