はるばると露店はならび

   烏賊の脳 歪める陶器

   塩鮭や 数の子ふのり

   茶絣とメリヤスのシャツ

   ちゞれたる雲のま下を

   魚類の 包みをになひ

   うちきほひ人押し分けて

   米とれる農夫は急ぎ

   けらや縄藁沓をはき

   かなしげに行きかふものは

   堰下の旱地の農夫

   活動の遠き楽隊は

   がたぴしに雲にひゞけば

   太き剣さげし巡査や

   開空の家長の会は

   しみじみと夕暮に入る

 

 


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