雲の鎖やむら立ちや、 森はた森のしろけむり、
鳥はさながら禍津日を、 はなるとばかり群れ去りぬ。
野を野のかぎり旱割れ田の、 白き空穂のなかにして、
術をもしらに家長たち、 むなしく風をみまもりぬ。
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