第三十七葉

   

   はやくも酵母西をこめ

   白日輪のいかめしき

   (からすはなほも演習す。)

 

       ※

   あまりにも

   こゝろいたみたれば

   いもうとよ

   やなぎの花も

   けふはとらぬぞ。

       ※

   凍りしく

   ゆきのなかからやせたおほばこの黄いろの

   穂がみな北に向いてならんでゐます。

       ※ がけ

   杉ばやし

   けはしきゆきのがけをよぢ

   こゝろのくるしさに

   なみだながせり。

       ※

 

 


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