第十七葉

   

   からす、正視にたえず、

   また灰光の桐とても

   見つめんとしてぬかくらむなり。

 

       ※

   たましひに沼気つもり

   くろのからす正視にたえず

   やすからん天の黒すぎ

   ほことなりてわれを責む。

 

       ※

   きりの木ひかり

   赤のひのきはのびたれど

   雪ぐもにつむ

   カルボン酸をいかにせん。

 

       ※

 

   かなしみをやめよ

   はやしはさむくして

 

 


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