熱またあり

   

   水銀は青くひかりて

   今宵また熱は高めり

   散乱の諸心をあつめ

   そのかみの菩薩をおもひ

   息しづにうちやすらはん

   

   たゆたへる光の澱や

   野と町と官省のなか

   ひとびとのおもかげや声

   ありとあるしじまとうごき

   なべてよりいざ立ちかへり

   散乱のわが心相よ

   あつまりてしづにやすらへ

   あしたこそ燃ゆべきものを

 

 


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