〔あかるいひるま〕

   

   あかるいひるま

   ガラスのなかにねむってゐると

   そとでは冬のかけらなど

   しんしんとして降ってゐるやう

   蒼ぞらも聖く

   羊のかたちの雲も飛んで

   あの十二月南へ行った汽車そっくりだ

   Look there, a ball of mistletoe! と

   おれは窓越し丘の巨きな栗の木を指した

   Oh, what a beautiful specimen of that!

   あの青い眼のむすめが云った

   汽車はつゞけてまっ赤に枯れたこならの丘や

   濃い黒緑の松の間を

   どこまでもその孔雀石いろのそらを映して

   どんどんどんどん走って行った

   "We say also heavens,

    but of various stage."

   "Then what are they?" むすめは〔以下不明〕

   

   〔一、二行不明〕

   

   聖者たちから直観され〔以下不明〕

   古い十界の図式まで

   科学がいまだに行きつかず

   はっきり否定もできないうちに

   たうたうおれも死ぬのかな

   いま死ねば

   いやしい鬼にうまれるだけだ