〔さあれ十月イーハトーブは〕

   

   さあれ十月イーハトーブは

   電塔ひとしく香氛を噴く

   雲ひくくしてひかると云はゞ

   なほなれ雲に関心するやと

   闘ひ勇める友らそしらん

   

     ……えならぬかほりときめくは

       いかなる雲の便りぞも……

   白服は

   八月に一度洗って

   またうすぐらくすゝけたし

   二百二十日を過ぎたのに

   稲は青くて立ってるよ