〔われら黒夜に炬火をたもち行けば〕

   

   われら黒夜に炬火をたもち行けば

   余燼はしげく草に降り

   ……みだるゝ鈴蘭の樹液その葉のいかに冴ゆるかも……

   その熔くるがごとき火照りに見れば

   木のみどり岩のたちまひ

   ……余燼よしげく草に降り……

   たゞならずしていとゞ恐ろし