〔午はつかれて塚にねむれば〕
七、二四、
午はつかれて塚にねむれば
積乱雲一つひかって翔けるころ
七庚申の碑はつめたくて
(田の草取に何故唄はれぬのか
草刈になぜうたはぬか
またあの崖の灰いろの小屋
籾磨になぜうたはないのか)
北の和風は松に鳴り
稲の青い鎗ほのかに旋り
きむぽうげみな
青緑或は
ヘンルータカーミンの金米糖を示す
(峡流の水のやうに
十一月の風のやうに
絶えず爽かに疲れぬ巨身を得るために)