一〇八一

     〔沼のしづかな日照り雨のなかで〕

                  一九二七、七、一〇、

   

   沼のしづかな日照り雨のなかで

   青い芦がおまへを傷つけ

   かきつばたの火がゆらゆら燃える

   

   雨が、雲が、水が、林が

   おまへたちでまたわたくしなのであるから

   われわれはいったいどうすればいゝのであらう

   

   けりが滑れば

   黄金の芒

   

 


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