一〇七四

     〔青ぞらのはてのはて〕

                  一九二七、六、一二、

   

   青ぞらのはてのはて

   水素さへあまりに稀薄な気圏の上に

   「わたくしは世界一切である

   世界は移らう青い夢の影である」

   などこのやうなことすらも

   あまりに重くて考へられぬ

   永久で透明な生物の群が棲む

   

 


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