科学に関する流言
五、一九、
今日ちゃうど二時半ころだ
高木から更木へ通る郡道の
まっ青な麦の間を
馬がまづ円筒形に氷凍された
直径四十糎の水銀を
二っつつけて南へ行った
それから八分半ほど経って
同じものを六本車につけて
人が二人で運んで行った
いやあの古い西岩手火山の
いちばん小さな弟にあたるやつが
次の噴火を弗素でやらうと
いろいろ仕度をしてゐるさうだ