〔さっきは陽が〕
五、十二、
さっきは陽が
草地から来たのに
こんどはひかる雲の裂け目から来やうとする
今年もすっかり
手がひゞ入ってしまった
みだれた雲と
たくさんの羽虫
風は吹くけれども山鳩はなくのである