一〇五一

     〔あっちもこっちもこぶしのはなざかり〕

                  一九二七、四、二八、

   

   あっちもこっちもこぶしのはなざかり

    角をも蹄をもけぶす日なかです

   名誉村長わらってうなづき

   やなぎもはやくめぐりだす

    はんの毬果の日に黒ければ

    正確なる時計は蓋し巨きく

    憎悪もて鍛へられたるその瞳は強し

        小さな三角の田を

        三本鍬で日なかに起すことが

        いったいいつまで続くであらうか

    氷片と光を含む風のなかに立ち

    老ひし耕者もわらひしなれ