一〇二七

     雑草

                       四、五、

   

   うごかなければならなくて

   ホーはひとりでうごいてるのだ

   何といふりっぱなぢしばりだ

   羽衣甘藍のやうに紫銅色で

   その葉もみんな尖ってゐる

   ブリキいろした牛蒡やちさで

   も一つちがった図案をこゝにこさえるために

   わたくしはいまこの夢のやうに縁辺をまばらに消やす

   豪華なアラベスクを削ってゐる

   このことに就てわたくしは

   あらゆる聖物毀損の罪に当らう

   その償ひにこんどこいつを

   どこかのローマンテックなローンに使はう

   その黄金の針金でできる皿がたの花を

   そこいちめんに展げさせやう

       雲のくらさと

       砂の明るさ

   いま鷺がどこかの洲に降りてゐる