雑草
四、五、
うごかなければならなくて
ホーはひとりでうごいてるのだ
何といふりっぱなぢしばりだ
羽衣甘藍のやうに紫銅色で
その葉もみんな尖ってゐる
ブリキいろした牛蒡やちさで
も一つちがった図案をこゝにこさえるために
わたくしはいまこの夢のやうに縁辺をまばらに消やす
豪華なアラベスクを削ってゐる
このことに就てわたくしは
あらゆる聖物毀損の罪に当らう
その償ひにこんどこいつを
どこかのローマンテックなローンに使はう
その黄金の針金でできる皿がたの花を
そこいちめんに展げさせやう
雲のくらさと
砂の明るさ
いま鷺がどこかの洲に降りてゐる