〔黒つちからたつ〕
一九二七、三、二六、
黒つちからたつ
あたたかな春の湯気が
うす陽と雨とを縫ってのぼる
……西にはひかる
白い天のひときれもあれば
たくましい雪の斜面もあらはれる……
きみたちがみんな労農党になってから
それからほんとのおれの仕事がはじまるのだ
……ところどころ
みどりいろの氈をつくるのは
春のすゞめのてっぽうだ……
地雪と黒くながれる雲