〔こんやは暖かなので〕
三、一五、
こんやは暖かなので
この坂みちの
淡い月光にひかる石ころの間を
夜どほし
雪どけの水がながれるのだ
……氷の雲とひばの列……
その振作の大きな木小屋は
北側の屋根がなくなったのか
そらのうつろが映ってゐるのだ
(ばらを十五本植えた
そのばらが芽を出さない)