一〇四三

     市場帰り

                  一九二七、四、二一、

   

   雪と牛酪(バター)

   かついで来るのは詮之助

     やあお早う

   あたまひかって過ぎるのは

   枝を杖つく村老ヤコブ

     やあお早う

     お天気ですな

   並木の影を

   犬め黄いろなむく犬め

     いやお早う

   朝日のなかから

   学校行きのこどもらが

   もずのやうに叫んで飛び出してくる

   

 


   ←前の草稿形態へ

次の草稿形態へ→