一〇一七

     開墾

                  一九二七、三、二七、

   

   野ばらの藪を、

   やうやくとってしまったときは

   日がかうかうと照ってゐて

   そらはがらんと暗かった

   おれも太市も忠作も

   そのまゝ笹に陥ち込んで、

   ぐうぐうぐうぐうねむりたかった

   川が一秒九噸の針を流してゐて

   鷺がたくさん東へ飛んだ

   

 


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