〔あちこちあをじろく接骨木(にはとこ)が咲いて)
一九二五、五、二五、
あちこちあをじろく接骨木(にはとこ)が咲いて
鬼ぐるみにもさはぐるみにも
青だの緑金だの
まばゆい巨きな房がかかった
そらでは春の爆鳴銀が
甘ったるいアルカリイオンを放散し
鷺やいろいろな鳥の紐が
ぎゅっぎゅっ乱れて通ってゆく
ぼんやりけぶる紫雲英の花簇と
茂らうとして
まづ赭く灼けた芽をだす桂の木
←前の草稿形態へ