「春」変奏曲
一九二四、八、二二、
爵やカップ、
それが厳めしい蓋を開けて、
青や黄いろの花粉を噴くと、
そのあるものは首尾よく雌花の柱頭につき、
ごくゆっくりと花粉の管を出すのもあるけれども
もう大部分百億分の九を十ならべたくらゐのやつは
片っぱしから沼に落ちて
渦になったり条になったり
ぎらぎら緑の葉をつき出した水ぎぼうしの株を
あっちへこっちへ避けてながれる
ところがプラットフォームにならんだむすめ
そのうちひとりがいつまでたっても笑ひをやめず
みんなが肩やせなかを叩き
いろいろしてももうどうしても笑ひやめず