五三

     休息

                  一九二四、四、一〇、

 

   風はうしろの巨きな杉や

   わたくしの黄いろな仕事着のえりを

   つぎつぎ狼の牙にして過ぎるけれども

   わたくしは白金の百合のやうに

     ……三本鍬の刃もふるへろ……

   ほのかにねむることができる

 

 


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