原体剣舞連(はらたいけんばいれん)

           (mental sketch modified)

   

      dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

   こんや異装(いさう)の弦月のした

   鶏(とり)の黒尾を頭巾(づきん)にかざり

   片刃(かたは)の太刀をひらめかす

   原体(はらたい)村の舞手(おどりこ)たちよ

   鴇(とき)いろのはるの樹液(じゆえき)

   アルペン農の辛酸(しんさん)に投げ

   生(せい)しののめの草いろの火を

   高原の風とひかりにさゝげ

   菩提樹皮(まだかは)と縄とをまとふ

   気圏の戦士わが朋(とも)たちよ

   青らみわたる顥気(かうき)をふかみ

   楢と椈(ぶな)とのうれひをあつめ

   蛇紋山地(じやもんさんち)に篝(かがり)をかかげ

   ひのきの髪をうちゆすり

   まるめろの匂のそらに

   あたらしい星雲を燃せ

      dah-dah-dah-dah-dah-sko-dah-dah

   肌膚(きふ)を腐植と土にけづらせ

   筋骨はつめたい炭酸に粗(あら)

   月月(つきづき)に日光と風とを焦慮し

   敬虔に年を累(かさ)ねた師父(しふ)たちよ

   こんや銀河と森とのまつり

   准(じゆん)平原の天末線(てんまつせん)

   さらにも強く鼓(こ)を鳴らし

   うす月の雲をどよませ

     dä-dä-dä-dä-dä-sko-dä-dä

        むかし達谷(たつた)の悪路王(あくろわう)

        まっくらくらの二里の洞(ほら)

        わたるは夢と黒夜(こくや)の神(じん)

        首は刻まれ漬けられ

   Ho! アンドロメダもかゞりにゆすれ

        青い仮面(めん)このこけおどし

        太刀を浴びてはいっぷかぷ

        夜風の底の蜘蛛(くも)おどり

        胃袋吐いてぎったぎた

     dä-dä-dä-dä-dä-sko-dä-dä

   さらにただしく刃(やいば)を合(あ)はせ

   霹靂(へきれき)の青火をくだし

   四方(しはう)の夜(よる)の鬼神(きじん)をまねき

   樹液(じゆえき)もふるふこの夜(よ)さひとよ

   赤ひたたれを地にひるがへし

   雹雲(ひやううん)と風とをまつれ

     dä-dä-dä-dä-dä-sko-dä-dä

   夜風(よかぜ)とどろきひのきはみだれ

   月は射(ゐ)そそぐ銀の矢なみ

   打つも果(は)てるも火花のいのち

   太刀の軋(きし)りの消えぬひま

     dä-dä-dä-dä-dä-sko-dä-dä

   太刀は稲妻(いなづま)萓穂(かやぼ)のさやぎ

   獅子の星座(せいざ)に散る火の雨の

   消えてあとない天(あま)のがはら

   打つも果てるもひとつのいのち

     dä-dä-dä-dä-dä-sko-dä-dä

 

 


   注:本文12行目[顥]は、サンズイにツクリが[顥]。
     本文27、37、44、49、54行目は、[d]+[aウムラウト]。

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