有明

   

   起伏の雪は

   あかるい桃の漿(しる)をそそがれ

   青ぞらにとけのこる月は

   やさしく天に咽喉(のど)を鳴らし

   もいちど散乱のひかりを呑む

     (波羅僧羯諦(ハラサムギヤテイ) 菩提(ボージユ) 薩婆訶(ソハカ)

   

 

 


   ←前の草稿形態へ

(宮澤家本は手入れなし)