北見
ましろなるそらのましたに
水いろの亜麻刈るなべに
立ち枯れのいたやの根もと
ほろ蚊帳にあかごはねむる
丘の上のスリッパ小屋に
媼ゐてむすめらに云ふ
恋はしもはじめくるしく
やがてしも苦きものぞと
にれやなぎおぐらき谷を
まくろなる流れは出でて
こらつどひかたみに舞ひて
たんぽゝの白き毛をふく
丘丘は幾重つらなり
こゝにして山きはまれば
見はるかす大野のかなた
海ぞとも更に知らなく
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