雪峡

   

   塵のごと小鳥なきすぎ

   ほこ杉の峡の奥より

   あやしくも鳴るやみ神楽

   いみじくも鳴るやみ神楽

   

   たゞ深し天の青原

   雲が燃す白金環と

   白金の黒の

   日天子奔せ出でたまふ

   

   


   注:本文7行目]は、山カンムリに[屈]。