春章作 一、

   

   迷ひの国の渚べに

   はてなく蘆の花噴けば

   青き死相を眼にたゝへ

   十束の太刀と乱れ髪

   怪しく所作する怨の舞

   



     同 二、

   
 

   銀の大袖風に萎え

   白紙を結ぶすはだしや

   死を嘲ける青の隈

   雪の反射のなかにして

   鉄の鏡をかゝげたり

 

 


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