民間薬
たけしき耕の具を帯びて、 羆熊の皮は着たれども、
夜に日をつげる一月の、 干泥のわざに身をわびて、
しばしましろの露置ける、 すぎなの畔にまどろめば、
はじめは額の雲ぬるみ、 鳴きかひめぐるむらひばり、
やがては古き巨人の、 石の匙もて出できたり、
ネプウメリてふ草の葉を、 薬に食めとをしへけり。