驟雨

   

   驟雨そゝげば新墾(にひはり)の、まづ立ちこむるつちけむり。

   

   湯気のぬるきに人たちて、  故なく憤る身は暗し。

   

   すでに野ばらの根を浄み、  蟻はその巣をめぐるころ。

   

   杉には水の幡かゝり、    しぶきほのかに拡ごりぬ。

   

 


   注:題目及び本文1行目[驟雨]の[驟]は、実際はサンズイに[聚]。

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