〔萌黄いろなるその頸を〕

   

   萌黄いろなるその頸を、   直くのばして吊るされつ、

   

   吹雪きたればさながらに、  家鴨は船のごとくなり。

   

   

   絣合羽の巡礼に、      五厘報謝の夕まぐれ、

   

   わかめと鱈に雪つみて、   鮫の黒身も凍りけり。

 

 


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