〔打身の床をいできたり〕

   

   打身の床をいできたり、   箱の火鉢にうちゐれば、

   

   人なき店のひるすぎを、   雪げの川の音すなり。

   

   

   粉のたばこをひねりつゝ、  見あぐるそらの雨もよひ、

   

   蛎殻町のかなたにて、    人らほのかに祝ふらし。

 

 


   ←前の草稿形態へ