嘆願隊

   

   やがて四時ともなりなんを、  当主いまだに放たれず、

   

   外の面は冬のむらがらす、   山の片面のかゞやける。

   

   

   二羽の烏の争ひて、      さっと落ち入る杉ばやし、

   

   このとき大気飽和して、    霧は氷と結びけり。