中尊寺〔一〕
七重の舎利の小塔に、 蓋なすや緑の燐光。
大盗は銀のかたびら、 おろがむとまづ膝だてば、
赭のまなこたゞつぶらにて、 もろの肱映えかゞやけり。
手触れ得ず十字燐光、 大盗は礼して没(き)ゆる。